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学士会福岡支部のボランティア活動の一環として福岡市立友泉中学校で”社会人講話”の催しが企画され、私も講師の一人として参加する機会を得たので、その折の寸感を述べたいと思う。 去年七月に学士会福岡支部から”社会人講話”についての講師募集があり、その趣旨に大いに賛同したので、直ちに応募した。 今回は、日本の科学、技術を支える上で最も大切と思われる独創性の涵養ということをテーマに選び、独創性を身に付けるには、当然ながら日頃の基本的な勉強が大切なこと、他人の考え方も自分の頭で納得するまで考えた上で自分のものにする必要があることなどを説明し、私自身中学生の頃に発案した先駆的な飛行機を話題に”少年技師の夢”について語ることにした。 話しながら感じたことは、生徒が皆、目を輝かせて講話を聴き入り、一言半句も逃さぬようにとノートにメモする鉛筆の音が、静かな教室に心地よく響いていたことである。講話の後の質問も極めて熱心で、また意欲的でもあった。 当日は、講師の控え室からそれぞれの教室への送迎、講師のプロフィール紹介などもすべて生徒が自主的に行い、礼儀正しく大変気持ちがよかった。率直に言って嬉しい誤算であった。 これも友泉中学校の校長先生はじめ担当の諸先生方の日頃のご薫陶の成果と思われ、そのご努力に深い敬意を表すとともに、この分なら日本の若者の将来も望みなきにあらずと意を強くした次第である。 後日、生徒代表から丁重な礼状が届いたが、私が話した内容を正確に理解してくれており、また少なからぬ影響を受けたことがよみとられ、講師を引き受けた甲斐があったと喜んでいる。
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